ゴート語メモ:名詞:母音型(強)変化 i型

ゴート語
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i型

男性と女性がある。単数の属格・与格がポイント。

qēns(妻)〔女〕
SGPL
qēn-s クウェーンスqēn-eis クウェーニース
qēn-áis クウェーナイスqēn-ē クウェーネー
qēn-ái クウェーナイqēn-im クウェーニム
qēn クウェーンqēn-ins クウェーニンス
qēn クウェーンqēn-eis クウェーニース

・弱変化動詞から派生した、-eins, -ōns, -ains エーンス で終わる抽象名詞〔女〕は、上と同じように変化する。ただし、-eins 終わりのみ、複数の主格・属格で ō型の変化をする。 

←láiseins ライスィーンス(教え)〔女〕< láisjan(教える) 複数形:láisein-ōs ライスィーノース, láisein-ō, láisein-im, láisein-ins

háims ハイムス(村)〔女〕は、単数では i型、複数では ō型の変化をする。

←単数形:háim-s, háim-áis, … / 複数形:háim-ōs ハイモース, háim-ō, háim-ōm, háim-ōs

gasts(gest)〔男〕
SGPL
gast-s ガスツgast-eis ガスティース
gast-is ガスティスgast-ē ガステー
gast-a ガスタgast-im ガスティム
gast ガストgast-ins ガスティンス
gast ガストgast-eis ガスティース

・男性は、単数の属格・与格で a型の変化をする。

←*gast-áis, gast-ái とかではなく、dag-is, dag-a のように。

参考資料

・高橋輝和(2023)『ゴート語入門 新版』白水社 初版:クロノス, 1982年刊

・千種眞一(1989)『ゴート語の聖書』大学書林

・Bennett, W. H.(1980)An Introduction to the Gothic Language. New York: The Modern Language Association of America.