古英語メモ:音節の切り方と種類、語の分類

古英語
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音節の切り方と種類

・おおむねラテン語に倣うと思われる。すなわち母音の後ろをみて

子音が1つ以下そこで切る:mi-ċel
子音が2つ以上最後の子音の手前で切る:en-gel

1音節語語末については、特に考えることはない。

・母音で終わる音節を開音節、子音で終わる音節を閉音節という。

miċel
開音節閉音節

語の分類

・語の分類について、音節と語幹の長短による分け方がある。

・まず、音節の長短については以下。

短音節短母音/短い二重母音(+1子音)を含む音節wer
長音節長母音/長い二重母音 (+子音)を含む音節stān
短母音の後に子音が2つ以上続く音節word
※音節をまたぐ場合もあるen-gel

短音節のみで構成される語幹を短語幹長音節を含む語幹を長語幹とする。

・上記をもとに、以下のような分類がなされる。

1音節・短語幹(short-stemmed monosyllables)wer, bæc, feoh
1音節・長語幹(long-stemmed monosyllables)stān, cniht, crēap
2音節・短語幹(short-stemmed dissyllables)mi-ċel ミチェル, y-fel
2音節・長語幹(long-stemmed dissyllables)ē-þel, en-gel

・さらに me-to-des や by-si-ge ビュスィゲ のような語を、3音節語(trisyllabic)とし、第2音節の o や i を中間母音(medial vowel)とする。

参考資料

・近藤健二・藤原保明(2003)『古英語の初歩』(英語学入門講座第4巻)荒木一雄監修, 英潮社.

・Mitchell, B., Robinson, F. C.(1992)A Guide to Old English, Fifth Edition. Oxford: Blackwell Publishers Ltd.