古ノルド語メモ:音節と語幹

古ノルド語
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音節の切り方と種類

・おおむねラテン語に倣うと思われる。すなわち母音の後ろをみて

子音が1つ以下そこで切る:ge-ta
子音が2つ以上最後の子音の手前で切る:bin-da

・1音節語、語末については、特に考えることはない。

スカルド詩においては、慣習により、違う切り方が行われる。すなわち、j, v を除く単子音を前の音節に含める。また、2子音についても、語形変化全体に現れるならば、同様にする。

get-a, bind-a ⇔ ge-ta, bin-da

・母音で終わる音節を開音節、子音で終わる音節を閉音節という。

konungr
開音節閉音節

音節と語幹の長短

・音節には長短がある。それに従って、語幹についても長短が区別される。

・まず、音節の長短について、おそらく基本的には以下。

短音節短母音(+1子音)を含む音節kyn
長音節長母音(+子音)を含む音節kné
短母音の後に子音が2つ以上続く音節barn
※音節をまたぐ場合もあるhir-ðir

・また、強勢がある音節について、短母音で終わるか、直後に短い弱強勢母音が続く長母音で終わるものは、短い。それ以外の強勢音節は、すべて長い。

ge-ta, fa-ra, ko-nungr, -a, -a
kal-la, kjó-sa, bin-da

・おおむね、短音節のみで構成される語幹を短語幹、長音節を含む語幹を長語幹とする。

・ただし、長母音または二重母音で終わる(←子音が続かない)語幹は、短いものとする?

j-a, flýj-a, gnýj-a, knýj-a, j-a, j-a, heyj-a など
(←j を抜いて考えている 弱変化動詞を参照)

・leggj-a は短く、byggj-a は長いらしいのだが、違いがよく分からない…。

参考資料

・下宮忠雄・金子貞雄(2006)『古アイスランド語入門』大学書林.

・Gordon, Eric V., Taylor, A. R.(1981)An Introduction to Old Norse, 2nd ed. Oxford: Clarendon Press.

・Barnes, M., Faulkes, A.(2007)A New Introduction to Old Norse. Part I – Grammar. Viking Society for Northern Research. University College London.